1)生体親和性に優れたポリマーマテリアルの創製
生活の質(Quality of Life)の向上を支援する低侵襲医療デバイスの創出をめざし、新しいポリマーバイオマテリアルの設計と機能解明を行う。最終目標として、埋め込み型人工臓器の実現を目指す。
具体例
- 人工心臓や人工股関節の生体親和性を向上するポリマー表面処理
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- 人工弁の生体親和性を獲得する自己開始ポリマーグラフト反応
- ポリマーアロイ技術による高機能・高性能循環器系バイオマテリアル

2)ポリマーサイエンスを基盤としたナノバイオデバイスの創製
ナノテクノロジーとバイオテクノロジーの融和を、マテリアルサイドから推進することで、分子レベルでの診断・治療を基盤とするナノメディシンの開拓を目指す。
具体例
- 半導体ナノ粒子である量子ドットを利用した細胞内イメージング
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- 両親媒性ポリマーコロイドによる溶質の細胞膜拡散プロセス
- 磁性粒子のポリマー処理によるバイオ機能化
- 表面分子インプリントによる有用バイオ分子の選択分離

3)ポリマーの精密合成とバイオマテリアルとしての機能解析
リビングラジカル重合を利用して、分子量やモノマーユニットの配列を制御した構造明確なポリマーを合成することを基盤とし、この表面での生体反応を解析する。特にタンパク質の非特異的な吸着を究極まで低減させるバイオマテリアル創製を目指す。
具体例
- ポリマーブラシ表面の創製とタンパク質吸着のナノ解析
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- 官能基を制御した表面でのタンパク質吸着から細胞応答までの連続解析
- 生体応答に与えるポリマーブラシ界面での水の運動性の解明
- 末端基を制御した水溶性ポリマーによるバイオ分子高機能化
- 分子構造制御によるバイオ分子の安定可溶化と製剤としての利用

4)細胞工学に適応する細胞適合性ポリマーバイオマテリアルの創製
生体環境下で生成と解離が可能な細胞親和型ポリマーハイドロゲルを創製し、細胞を包括することで細胞機能の制御を行う。特に、分化誘導により様々な組織へと誘導可能なiPS細胞、ES細胞の質を維持し、分化効率を高めるためのマテリアル創製を行い、細胞工学への貢献を目指す。
具体例
- 自発的にゲル化するポリマーマテリアルの特性と細胞機能の相関
[ 右図をダウンロードする(PDF/6.2MB) ]
- ゲル内に包括された細胞の機能解明と分化誘導
- 細胞膜表面における分子修飾によるハイパー細胞の創製
- 末端基を制御した水溶性ポリマーによるバイオ分子高機能化
- 一細胞操作を可能とする細胞分離・包括技術

5)細胞を利用する新規バイオエネルギーデバイスの創製
バイオマス資源をソースとした新しい細胞ベース起電デバイスの構築を、細胞工学とバイオマテリアル工学の融合により実現する。特異的な酵素タンパク質を過剰発現させた細胞を、活性を維持した状態で三次元的に固定化し、細胞ベースの起電デバイスを目指す。
具体例
- 電子メディエーター機能を有する生体親和型ポリマーゲルの創出
- 酵素固定ポリマー粒子を応用した高性能バイオ情報変換システム創製
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